要点(TL;DR)
生成AIは、文章作成や要約、アイデア出しを大幅に効率化できます。一方で、使い方を誤ると「入力した情報が外部に渡る」「出力をそのまま公開して炎上・信用失墜につながる」など、取り返しのつかない事故になり得ます。事故の原因は、難しい技術よりも「何を入力してよいか分からない」「誰が最終確認するのか決まっていない」といった運用の曖昧さであることが大半です。そこでまず、個人情報・認証情報・顧客/契約情報・社外秘・未公開の設計/ログを“入力禁止”として明文化し、社外公開や顧客対応などの高リスク用途は承認フロー(一次承認+必要に応じた法務/広報/情報シス承認)を通す形にします。これだけで「迷って入力してしまう」「確認不足のまま出してしまう」を防ぎ、現場が安心して生成AIを活用できる状態を作れます。
【入力禁止情報】(生成AIへ一切投入しない)
氏名、住所、電話、メール、社員番号、顔写真、音声、履歴書、健康情報 等
ID/PW、APIキー、秘密鍵、証明書、バックアップコード、Cookie/セッショントークン
契約書、見積書、発注書、請求書、与信、交渉履歴、担当者名簿
未公開の売上・原価、戦略資料、M&A、採用評価、内部監査、事故報告
リポジトリ内容、インフラ構成、脆弱性診断結果、ログ(IP含む)
書籍全文、会員限定資料、購入したコンテンツの転載
医療/金融/法務の個別判断を求める具体事案(社内の専門レビュー前提)
| 【表】生成AIに入力してはいけない情報(7分類・圧縮版) | |||
|---|---|---|---|
| 分類 | 例 | NG理由 | 代替(安全策) |
| 1)個人情報 | 氏名/住所/連絡先/社員番号/顔・音声/履歴書/健康情報 | 本人特定・漏えいの高リスク | 固有名詞削除+属性は抽象化 |
| 2)認証情報 | ID/PW、APIキー、秘密鍵、証明書、トークン、Cookie | 不正アクセスに直結 | 入力禁止(社内の管理手順で扱う) |
| 3)顧客・契約 | 契約/見積/請求、与信、交渉履歴、名簿 | 守秘・契約違反の恐れ | 顧客A置換+金額レンジ化+承認 |
| 4)社外秘 | 売上/原価、戦略、M&A、採用評価、監査、事故報告 | 経営・信用の重大損害 | 公開済み情報のみ/社内限定環境 |
| 5)未公開の技術情報 | ソース/設定、インフラ構成、診断結果、ログ(IP等) | 攻撃の手掛かりになる | 概要化+識別子マスク+社内レビュー |
| 6)著作物(無許諾) | 書籍全文、会員限定資料、購入コンテンツの転載 | 著作権・規約違反の恐れ | 要点を自分の言葉で/引用は最小限 |
| 7)規制・個別判断 | 医療/金融/法務の具体案件、判断を求める内容 | 誤判断が損害・法的責任に | 一般論まで/専門家レビュー前提 |
入力可(条件付き)
匿名化の最低基準(簡易ルール)
1)承認が必要な利用(例)
2)標準フロー(現場が回る最小構成)
Step0:分類(担当者)
Step1:匿名化(担当者)
Step2:一次承認(上長 or PJ責任者)
Step3:二次承認(条件付き)(情報シス/セキュリティ担当)
Step4:実行&記録(担当者)
Step5:公開前レビュー(広報/法務/品質)
生成AI利用 申請(簡易)
生成AI(ChatGPT等)に入力してはいけない情報は、個人情報・認証情報・顧客や取引先の機密・社外秘資料・未公開の設計やログなどです。氏名や住所、電話番号、メールアドレス、履歴書や健康情報といった個人情報はもちろん、ID・パスワード、APIキー、秘密鍵、認証コード、セッショントークンといった認証情報も厳禁です。また、契約書・見積書・請求書・交渉履歴・顧客名簿などの取引情報、未公開の売上や戦略資料、非公開のソースコードやインフラ構成、脆弱性診断結果やアクセスログ(IPや識別子を含む)も入力禁止として明文化するのが安全です。
原則として避けるのが安全です。社名や人名を伏せても、数字・条件・文脈の組み合わせで案件や人物が特定されることがあるためです。どうしても使う場合は、固有名詞を完全に削除し、金額や数量はレンジ化し、URL・ID・メール・IPなどの識別子をマスクするなど、「誰にも特定されないレベル」まで抽象化したうえで、承認フローを通してから実施してください。迷った時は入力しない、という判断基準を社内で統一することが最も効果的です。
そのままの掲載は推奨できません。生成AIの出力には、事実誤認や根拠のない断定が混ざる可能性があり、著作権や引用ルール、第三者の権利侵害、守秘情報の混入などのリスクも残ります。WebサイトやSNS、メルマガ、プレスリリースなど社外公開に使う場合は、必ず人が内容を精査し、事実確認・表現チェック・権利関係・誇大表現・守秘の観点でレビューを行ったうえで公開する運用にしてください。
社外公開、顧客対応、契約・法務、採用・人事、セキュリティ判断を含む利用は承認必須にするのが実務的です。具体的には、Web・SNS・メルマガ・プレスリリースなどの公開物、取引先への回答文や提案文、契約条文や法的判断を含む文章、採用評価や人事関連資料、仕様や設計、脆弱性対応などの内容が該当します。承認は「上長またはPJ責任者による一次承認」に加え、公開物は広報・法務、セキュリティに関わるものは情報シス(セキュリティ担当)の二次承認を組み合わせると、判断のブレと事故を大幅に減らせます。
最低限やるべきことは、入力禁止情報の明文化、承認フローの整備、利用記録(ログ)の確保、許可ツールの統制の4点です。入力禁止が曖昧だと、忙しい現場ほど情報を誤って投入しやすくなります。承認フローがないと、社外公開や顧客対応にAI出力が混ざり、信用・法務・炎上リスクが高まります。利用記録を残せば、事故対応や監査の際に原因追跡が可能になります。最後に、使ってよいツールやアカウント(会社管理)を限定し、個人アカウントや無断ツール利用を禁止することで、運用のばらつきを抑えて全社の安全性を底上げできます。