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円卓を囲んだ6人のビジネスパーソンが、行き交う人々のシルエットを背景に、AIを悪用したサイバー攻撃への備えを話し合っている様子を描いたAIサイバー攻撃対策のメインビジュアル 人 × ソフト × ハードで守る

AIを悪用したサイバー攻撃に備え |
今できる対策をわかりやすく

AIの悪用で、偽のメールや偽のサイトは本物と見分けがつきにくくなりました。メールを受け取っただけで被害が出るわけではありませんが、添付ファイルを開く・リンクを押す・パスワードを入力するといった操作をきっかけに、社内のパソコンが乗っ取られ、ホームページの管理システムやサーバーまで被害が広がるおそれがあります。このページでは、想定される被害と、初歩的なBASIC認証から多要素認証(MFA)・CSRF対策までの守り方を、「人・ソフト・ハード」の3つに分けて、専門用語なしで解説します。

AIサイバー攻撃対策 偽メール対策 BASIC認証 多要素認証(MFA) CSRF対策 スタッフ教育

30秒でわかる、今できる対策

結論:対策の基本は「スタッフの知識」です。そのうえで、システム側の対策(ソフト)と機器・ネットワーク側の対策(ハード)を組み合わせて、はじめて効果が出ます。どれか1つだけでは、必ずすり抜けられる場面が残ります。たとえば「管理画面は社内からしか接続できない」という制限があっても、社内のパソコンそのものが乗っ取られれば、攻撃者は「社内の人」として通過できてしまいます。

5 つ
想定される
被害のパターン
3 層
人・ソフト・ハードを
組み合わせて守る
6 つ
スタッフに
お願いしたい行動
0 円〜
今日から
始められる対策も

なぜ今、AIを悪用した攻撃に備える必要があるのか

以前は「日本語が不自然」「差出人が怪しい」ことで見抜けた偽メールが、AIの悪用によって、取引先や社内の人から届いたような自然な文面で作られるようになりました。

偽メールに含まれる不正な添付ファイルやリンクを開くと、社内のパソコンが不正なプログラムに感染したり、偽のログイン画面にパスワードを入力して盗まれたりします。その結果、ホームページの管理システム(CMS)やWEBサーバーに侵入され、内容の改ざん、情報の漏えい、表示や更新の停止といった被害につながります。大切なのは、メールを受信しただけで、ただちに被害が発生するわけではないという点です。被害のきっかけは、ほとんどの場合「開く・押す・入力する」という人の操作です。だからこそ、スタッフの知識が最初の守りになります。

🏠

たとえるなら、偽メールは「宅配業者そっくりの訪問者」。インターホンが鳴っただけでは何も起きませんが、ドアを開けて招き入れると家の中に入られてしまいます。AIの悪用によって、その訪問者の制服や話し方が、本物とほとんど見分けがつかなくなっているのが今の状況です。

想定される攻撃と被害

偽メールから始まる攻撃は、おおむね次の4段階で広がります。どの段階で止められるかによって、被害の大きさが変わります。

1
TRIGGER
偽メール・偽サイト
AIで自然な文面になった迷惑メールや、本物そっくりのログイン画面
2
ACTION
開く・押す・入力する
添付ファイルを開く、リンクを押す、IDやパスワードを入力する
3
INFECTION
社内PCの乗っ取り
不正なプログラムに感染し、ログイン情報や管理用の情報が盗まれる
4
DAMAGE
管理システム・サーバーへ
ホームページの改ざん、情報漏えい、表示・更新の停止へ広がる

社内のパソコンが乗っ取られた後に起こりうる被害は、主に次の5つです。

被害 01

担当者が気づかないうちに管理システムを操作される

管理システムにログインしたままのパソコンが乗っ取られると、攻撃者はその「ログイン済みの状態」を使って、本人になりすまして操作できます。「社内からしか接続できない」という制限では防げず、操作の記録を見ても本人の操作と見分けがつきにくいのが特徴です。

STEP 1社内PCが不正なプログラムに感染
➜
STEP 2ログイン中の管理画面を遠隔で操作される
➜
STEP 3お知らせや掲載内容が勝手に書き換えられる
被害 02

社内PCを足がかりに管理システムへ侵入される

感染したパソコンからIDやパスワードが盗まれると、攻撃者はそのパソコンを「社内の正規の端末」として使い、管理システムにログインします。営業時間・イベント・料金などの情報が改ざんされるほか、社内のほかのパソコンやサーバーへ被害が広がるおそれもあります。

STEP 1PCに保存されたIDやパスワードが盗まれる
➜
STEP 2乗っ取られた社内PCから管理システムにログイン
➜
STEP 3情報の改ざん、ほかのPC・サーバーへ拡大
被害 03

ホームページを通じてお客様にも被害が広がる

ホームページを更新する権限を奪われると、リンク先の差し替えや、不正なプログラムの埋め込みが行われます。お客様が偽の予約・購入サイトへ誘導され、クレジットカード情報などを盗まれるといった、自社の外にまで被害が広がり、信用を大きく損ないます。

STEP 1ホームページの更新権限を奪われる
➜
STEP 2リンクの差し替えや不正なプログラムの埋め込み
➜
STEP 3お客様が偽サイトへ誘導されカード情報を盗まれる
被害 04

管理用の情報を盗まれ被害が広がる

パソコン内のファイルやメールに残されたサーバーの接続情報や管理者パスワードは、いわばホームページの「合い鍵」です。これを盗まれると、管理画面を通らずにWEBサーバーやデータの保管場所へ直接侵入され、長い間気づかれないまま悪用されるおそれがあります。

STEP 1ファイルやメールから接続情報・管理者パスワードを盗む
➜
STEP 2WEBサーバーやデータの保管場所へ侵入
➜
STEP 3気づかれないまま改ざん・情報の持ち出し
被害 05

データを壊され表示や更新が止まる

ホームページのデータが削除されたり、暗号化されて読めない状態にされたりすると、表示も更新もできなくなります。バックアップまで同じ場所に置いていて一緒に壊されると、元に戻すまでに長い時間がかかります。

STEP 1サーバー内のデータを削除・暗号化される
➜
STEP 2ホームページの表示・更新が止まる
➜
STEP 3バックアップも被害を受け、復旧が長期化

対策は「人・ソフト・ハード」の3層で考える

セキュリティ対策というと「機器を買う」「ソフトを入れる」をイメージしがちですが、実際には次の3つの層があり、それぞれ守れる場面が異なります。「ハードを入れたから安心」「ソフトを入れたから安心」ではなく、3つを同時にそろえてはじめて意味があります。

LAYER 1 ― PEOPLE

人(知識・ルール)

スタッフ一人ひとりの知識と、社内のルール。偽メールを開かない、パスワードを使い回さない、異変をすぐに報告する、といった行動です。費用がかからず、今日から始められる一番の基本です。

  • 不審なメールへの対処
  • パスワードの管理
  • 報告ルール・研修・訓練
LAYER 2 ― SOFTWARE

ソフト(プログラム・設定)

管理システム(CMS)やWEBサーバー、パソコンの中の「設定」や「プログラム」で守る対策です。目には見えませんが、ログインの確認や不正な操作の拒否など、仕組みとして自動で守ります。

  • BASIC認証・多要素認証(MFA)の仕組み
  • CSRF・クリックジャッキング対策
  • ハードニング・OSやCMSの更新・ウイルス対策ソフト
LAYER 3 ― HARDWARE

ハード(機器・ネットワーク)

ルーターやファイアウォールなどの機器、ネットワークの分け方、バックアップを保管する装置など、「物」として設置して守る対策です。入口を絞ったり、壊されたときに戻せる場所を確保したりします。

  • ファイアウォール・ルーターでの接続制限(IP制限)
  • MFA用のスマートフォンやセキュリティキー
  • 別の場所に保管するバックアップ装置

※WAF(ウェブアプリケーションファイアウォール)のように、機器としても、クラウド上のサービス(ソフト)としても導入できる対策もあります。分類よりも、「どの場面を守る対策なのか」を知っておくことが大切です。

1つだけでは意味がない理由|すり抜けられる場面の一覧

どの対策にも、単独では防げない場面があります。下の表の「補う対策」まで組み合わせることで、弱点を互いに埋め合えます。

この対策「だけ」だと…すり抜けられる場面あわせて必要な対策
IP制限(社内からのみ接続)
ハードソフト
社内のパソコンが乗っ取られると、「社内からの接続」として通過されてしまう多要素認証、不正操作対策、PC側の感染対策
BASIC認証
ソフト
ブラウザにIDとパスワードを記憶させたパソコンを乗っ取られると素通り。共有・使い回しのパスワードが漏れると無力多要素認証、パスワード管理(人)
多要素認証(MFA)
ソフトハード
すでにログインしているパソコンを乗っ取られると防げない。身に覚えのない承認通知をうっかり承認してしまう画面ロック・ログアウト(人)、不正操作対策、身に覚えのない承認をしない知識(人)
CSRF・クリックジャッキング対策
ソフト
外部サイト経由の不正操作は防げるが、感染したパソコンを直接操作される場合は防げないPC側の感染対策、多要素認証、スタッフの知識
ウイルス対策ソフト
ソフト
AIで次々に作られる新しい手口は、検知しきれない場合があるスタッフの知識、システム側の対策
バックアップ
ハードソフト
同じサーバーや同じネットワーク内に置いていると、一緒に削除・暗号化される別の場所への保管、ハードニング、復旧手順の確認
スタッフの注意
人
AIで作られた偽メールは本物との見分けが難しく、個人の注意だけですべては防げないシステム側の対策(ソフト・ハード)と相談できる体制
🔐

家の防犯にたとえると、門の鍵(IP制限・BASIC認証)、玄関の二重ロック(多要素認証)、留守中に勝手に操作されない仕組み(CSRF・クリックジャッキング対策)、使っていない勝手口をふさぐこと(ハードニング)、大切な物を別の場所に預けること(バックアップ)、そして家族全員の戸締まりの習慣(スタッフの知識)。どれか1つが欠けても、そこから入られてしまいます。

対策内容|初歩のBASIC認証から多要素認証・CSRF対策まで

ホームページの管理システムやサーバーを守る対策を、取り組みやすい順に並べました。「分類」は、主にどの層で行う対策かを示しています。

段階対策分類何を防ぐか
STEP 1BASIC認証ソフト管理画面の手前にもう1枚の扉を置き、外から管理画面にたどり着きにくくする
STEP 2IP制限ハードソフト決められた場所(社内など)以外からの接続を受け付けない
STEP 3パスワードの見直し人ソフト長く推測されにくいものに変え、使い回しをやめて、漏れたパスワードでの侵入を防ぐ
STEP 4多要素認証(MFA)ソフトハードパスワードが盗まれても、それだけでは不正にログインできないようにする
STEP 5不正操作対策(CSRF・クリックジャッキング)ソフト外部のサイトを通じて、ログイン中の担当者に意図しない操作をさせる手口を防ぐ
STEP 6システムの堅牢化(ハードニング)ソフト使っていない古いファイルや機能を整理し、侵入のきっかけを減らす
STEP 7バックアップとPC側の感染対策ハードソフト万が一壊されても元に戻せるようにし、入口となるパソコンの感染を防ぐ

BASIC認証|管理画面の前に置く「もう1枚の扉」

BASIC認証は、管理画面を開こうとしたときに、ブラウザがIDとパスワードの入力を求める仕組みです。WEBサーバーの設定だけで導入できる、最も初歩的な対策です。管理画面の場所を知られても、すぐにはログイン画面までたどり着けないため、機械的に大量のログインを試す攻撃の入口を減らせます。

ご注意通信が暗号化(https)されていないと、IDとパスワードが盗み見られるおそれがあります。また、ブラウザに記憶させたパソコンを乗っ取られた場合や、IDを複数人で共有している場合は効果がありません。BASIC認証は「入口を減らす」ための対策であり、それだけで安全になるものではありません。

IP制限|「社内からしか開けない」扉とその限界

IP制限は、接続元の住所にあたる「IPアドレス」を見て、社内など決められた場所からの接続だけを受け付ける仕組みです。ルーターやファイアウォールなどの機器(ハード)でも、サーバーの設定(ソフト)でも行えます。外部からの不正ログインに対しては非常に有効です。

ご注意社内のパソコンそのものが乗っ取られると、攻撃者は「社内からの接続」として通過できてしまいます。AIを悪用した偽メールはまさにこの社内パソコンを狙うため、IP制限に加えて、ログイン時の本人確認の強化と不正な操作への対策が必要です。

多要素認証(MFA)|ログイン時の本人確認を強化する

管理システムやサーバーの管理画面で使うパスワードを、長く推測されにくいものに見直したうえで、対応できる管理画面から順に「多要素認証」を導入します。多要素認証は、IDとパスワードの入力に加えて、スマートフォンなどでも本人であることを確認する仕組みです。確認方法や日々の操作手順を共有し、スタッフ全員が使えることを確かめながら段階的に進めることで、万が一パスワードが盗まれても、それだけでは不正にログインされにくくなります。詳しくは多要素認証(MFA)・パスキー導入ガイドで解説しています。

ご注意すでにログインしているパソコンを乗っ取られた場合などは、多要素認証だけでは防ぎきれません。ほかの対策と組み合わせることで、不正利用の危険を減らします。

不正操作対策(CSRF・クリックジャッキング)|外部サイトを通じた意図しない操作を防ぐ

管理システムにログインした状態で不正なサイトを開くと、そのサイトに仕込まれた指示によって、本人が意図しない情報の変更や削除が行われることがあります(CSRF:クロスサイト・リクエスト・フォージェリ)。これを防ぐため、管理画面から送られる変更・削除などの指示に「正規の操作であることを確かめる情報」を付け、システム側で照合し、確認できない指示は受け付けないようにします。また、管理画面を別のサイトの中に埋め込み、関係のないボタンに見せかけて押させる手口(クリックジャッキング)も、埋め込みを禁止する設定で防ぎます。導入後は、通常の登録・変更・削除の作業が問題なく行えることを確認します。

この対策は「外部のサイトを通じた不正な操作」を防ぐものです。感染したパソコンを直接操作される場合とは異なるため、ログイン時の本人確認の強化などとあわせて行います。仕組みの詳細は不正操作対策(CSRF・クリックジャッキング)で解説しています。

参考(IPA 独立行政法人情報処理推進機構)CSRF(クロスサイト・リクエスト・フォージェリ) https://www.ipa.go.jp/security/vuln/websecurity/csrf.html
クリックジャッキング https://www.ipa.go.jp/security/vuln/websecurity/clickjacking.html

システムの堅牢化(ハードニング)|使っていない古いファイルや機能を整理する

管理システムやWEBサーバーの中を確認し、現在は使っていない古いファイルや機能を整理します。使われていないものでも、外部からアクセスできる状態で残っていると、不正な侵入のきっかけになることがあります。普段の更新作業では目に触れないため、古いまま残っていても気づきにくい点に注意が必要です。ホームページの表示や更新に必要なものかを確かめ、影響がないことを確認したうえで不要なファイルや機能を削除することで、攻撃に悪用される箇所を減らし、管理しやすい状態に整えます。具体的な対象は古いファイルの整理とハードニングの重要性をご覧ください。

バックアップとPC側の感染対策|万が一に備え、入口も守る

  • バックアップは「別の場所」に保管するホームページと同じサーバーやネットワークの中だけに置かず、切り離した場所にも保管します。あわせて、実際に元へ戻せるかを定期的に確かめておきます。
  • パソコン・ブラウザ・セキュリティ対策ソフトを最新に保つ管理システムやサーバー側の対策は、感染したパソコンから不正なプログラムを取り除くものではありません。入口となるパソコン側の対策も欠かせません。
  • サーバーの「合い鍵」をパソコンやメールに残さないサーバーの接続情報や管理者パスワードを、メール本文やデスクトップのファイルに置いたままにしないようにします。
POINTこれらの作業は、管理システムやWEBサーバー側の備えを強化するものです。感染した社内のパソコンから不正なプログラムを取り除くものではないため、パソコン側の感染対策や、不審なメールへの注意と組み合わせて、ホームページを安全に運用できる環境を整えます。

基本はスタッフの知識|皆さまにお願いしたい6つのこと

管理システムへの接続を社内に限定していても、社内のパソコンが乗っ取られたり、担当者のログイン情報が盗まれたりすると、不正な侵入につながります。一方で、AIを悪用した偽のメールやサイトは本物との見分けが難しく、個人の注意だけですべてを防ぐことはできません。スタッフ全員が基本的な対処方法を知ることに加え、迷ったときに相談できる体制を整えることが大切です。

1不審なメールは、開く前・入力する前に確認する

差出人の名前や自然な日本語だけで、本物のメールと判断しないようにしてください。知っている相手の名前でも、メールアドレスや依頼内容に不自然な点がないか確認しましょう。

心当たりのない添付ファイルやリンクは開かず、判断に迷った場合は担当者へ相談してください。「至急対応してください」「アカウントが停止されます」など、急がせる内容にも注意が必要です。

パスワードの入力を求められた場合は、メール内のリンクを使わず、普段利用しているブックマークなどから正規のサイトを開いて確認してください。送信者への確認が必要なときは、メールに書かれた連絡先ではなく、以前から把握している電話番号などを使いましょう。

参考偽メールや添付ファイルへの注意、ブックマークからのログイン、電話など別の方法による確認はメールセキュリティの基本で解説しています。

2パスワードを使い回さず、安全に管理する

管理システムのパスワードには、ほかのサービスと同じものを使わないでください。使い回していると、別のサービスから漏れたパスワードを使って、不正にログインされるおそれがあります。

長く推測されにくいパスワードを設定し、会社で定めた方法で安全に管理してください。個人に割り当てられたIDやパスワードは、ほかの人と共有しないようにしましょう。

3身に覚えのない本人確認は承認しない

多要素認証の導入後、スマートフォンなどにログインの確認が届いた場合は、自分が行った操作によるものかを必ず確認してください。

自分でログインしていないのに確認が届いた場合は、第三者がログインを試みている可能性があります。繰り返し届いても承認せず、担当者へ報告してください。また、確認コードをメールや電話などで他人に伝えないようにしましょう。

参考本人確認の仕組みや、承認通知を繰り返し送って誤操作を誘う手口は多要素認証(MFA)・パスキー導入ガイドで解説しています。

4管理システムの利用中と利用後に注意する

管理システムでの作業中は、業務に関係のないサイトの閲覧や、不審なメールの確認を避けてください。

席を離れるときは、パソコンの画面をロックしてください。作業が終わったら、管理システムの「ログアウト」を操作してからブラウザを閉じましょう。ブラウザを閉じるだけでは、ログイン状態が残る場合があります。

また、パソコンやブラウザ、セキュリティ対策ソフトの更新は社内の管理方針に従って行い、保護機能を自己判断で無効にしないようにしてください。

参考OS・ソフトの更新と、社内のセキュリティルールを守る重要性はメールセキュリティの基本で解説しています。

5異変や操作ミスに気づいたら、すぐに報告する

「怪しい添付ファイルを開いてしまった」「偽サイトかもしれない画面にパスワードを入力した」「身に覚えのない変更がある」といった場合は、被害が確認できていなくても、すぐに担当者へ報告してください。

その際は、いつ、どのようなメールや画面で、何をしたのかを、分かる範囲で伝えてください。不審な画面での操作を続けたり、自己判断でメールやファイルを削除したりせず、担当者の指示を受けましょう。

早めの報告が、被害の拡大を防ぐことにつながります。操作ミスを責めるのではなく、速やかな相談・報告を優先できる環境を整え、報告先と対応手順を全員で共有しておくことが大切です。

参考事故が分かった後の対応や、誰が何を行うかを事前に決める重要性は個人情報漏えい発生時の初動対応・公表フローで解説しています(主に管理者・対応責任者向け)。

6定期的な研修と訓練で、対応方法を確認する

不審なメールの特徴や、パスワードの管理方法、異変に気づいたときの報告手順などを、定期的な研修で確認することをおすすめします。

また、偽のメールを想定した訓練を行い、「開く前に確認する」「迷ったら相談する」「開いてしまったらすぐに報告する」という行動を練習することも有効です。知識を身につけるだけでなく、実際に困ったときに誰へ相談し、どう行動すればよいかを、スタッフ全員が分かる状態にしておくことが大切です。

参考迷惑メール対策、パスワード管理、多要素認証などを実例や演習を交えて学ぶ情報セキュリティ講習会の講師派遣もご用意しています。

「開いてしまった」「入力してしまった」ときの初動

誰でも間違えることはあります。大切なのは、隠さずに早く知らせることです。次の3つの順番を、スタッフ全員で共有しておきましょう。

1
それ以上操作しない
不審な画面での入力やクリックを続けず、メールやファイルも自己判断で削除しないでください。
➜
2
すぐに担当者へ報告
「いつ・どのメールや画面で・何をしたか」を分かる範囲で伝えます。被害が分からなくても報告します。
➜
3
担当者の指示に従う
ネットワークからの切り離しやパスワードの変更など、担当者や制作会社の指示に沿って対応します。

立場別チェックリスト|明日から何をすればいいか

「結局、自分は何をすればいいのか」を立場ごとにまとめました。チェックが付かない項目から順に取り組んでください。

経営者・管理責任者がやること

  • 報告先と対応手順を決め、全員に共有する「誰に・どの方法で連絡するか」を1枚にまとめ、スタッフの手元に置きます。
  • 「操作ミスは責めない」と明言する叱られることを恐れて報告が遅れると、被害が広がります。早い報告を評価する方針を伝えます。
  • 管理画面のアカウントを棚卸しする退職者や使っていないアカウント、複数人で共有しているIDが残っていないか確認します。
  • 研修・訓練を年間の予定に入れる一度きりではなく、定期的に確認する機会を設けます。

更新担当スタッフが今日からやること

  • 管理システムのパスワードが、ほかのサービスと同じでないか確認する同じ場合は、会社のルールに沿って長く推測されにくいものに変更します。
  • サーバーの接続情報やパスワードを、メールやデスクトップに置いていないか確認する見つけた場合は、担当者に相談のうえ社内で定めた方法で管理します。
  • 作業後は「ログアウト」、離席時は「画面ロック」を習慣にするブラウザを閉じるだけでは、ログイン状態が残る場合があります。
  • 報告先の連絡先を、すぐに分かる場所に控えておくいざというときに探さなくて済むようにしておきます。

制作会社・サーバー管理会社に確認すること

  • 管理画面にIP制限・BASIC認証がかかっているか入口が外部に開いたままになっていないかを確認します。
  • 多要素認証(MFA)に対応できるか管理システム・サーバーの管理画面それぞれについて確認します。
  • CSRF・クリックジャッキング対策が入っているか管理画面の変更・削除の操作が、外部のサイトから実行されない仕組みになっているかを確認します。
  • 古いファイルや使っていない機能が残っていないか定期的な棚卸しとハードニングが行われているかを確認します。
  • バックアップの保管場所と、元に戻す手順同じサーバー内だけに置いていないか、復旧にどのくらいかかるかを確認します。

よくある質問

受信しただけで、ただちに被害が発生するわけではありません。被害のきっかけは、添付ファイルを開く、リンクを押す、パスワードを入力するといった操作です。判断に迷ったら開かずに担当者へ相談してください。確認の仕方は不審なメールは、開く前・入力する前に確認するをご覧ください。

はい、必要です。社内のパソコンが偽メールなどで乗っ取られると、攻撃者は「社内からの接続」として管理画面に入れてしまいます。IP制限に加えて、多要素認証と不正操作対策を組み合わせることをおすすめします。

入口を減らす初歩的な対策として有効ですが、それだけでは不十分です。通信が暗号化(https)されていることが前提で、ブラウザにIDとパスワードを記憶させたパソコンを乗っ取られた場合や、IDを共有している場合は効果がありません。多要素認証などとあわせて導入してください。

パスワードの盗難には強くなりますが、万能ではありません。すでにログインしているパソコンを乗っ取られた場合は防ぎきれません。作業後のログアウトや画面ロック、身に覚えのない承認通知を承認しないといったスタッフの行動と組み合わせてください。

ログイン中の担当者に、外部のサイトを通じて意図しない操作をさせる手口です。CSRFは不正なサイトに仕込まれた指示で勝手に変更・削除を実行させ、クリックジャッキングは管理画面を別のサイトに埋め込んでボタンを押させます。詳しくは不正操作対策(CSRF・クリックジャッキング)で解説しています。

どちらか一方ではなく、人・ソフト・ハードを組み合わせることが前提です。まずは費用をかけずにできるスタッフの知識とパスワードの見直しから始め、管理画面の多要素認証と不正操作対策、古いファイルの整理、別の場所へのバックアップの順に整えるのが現実的です。考え方は対策は「人・ソフト・ハード」の3層で考えるをご覧ください。

それ以上操作せず、すぐに担当者へ報告してください。メールやファイルを自己判断で削除せず、「いつ・どのメールで・何をしたか」を伝え、担当者の指示に従います。手順は「開いてしまった」ときの初動をご覧ください。

はい、対応しています。迷惑メール対策、パスワード管理、多要素認証などを、実例や演習を交えてお伝えします。詳しくは情報セキュリティ講習会の講師派遣をご覧ください。

はい、まずは無料でご相談いただけます。管理画面の入口の守り方、多要素認証や不正操作対策の有無、古いファイルの残り具合、バックアップの保管状況などを確認し、優先順位を付けてご提案します。お問い合わせからお気軽にご連絡ください。

このページで紹介した対策は、それぞれ詳しい解説ページをご用意しています。

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  • 公開日
  • 監修 情報セキュリティ統括責任者
    竹内勇人
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